ブラッシングについて

ブラッシング

ブラッシングは立派な体調管理

ブラッシングは見た目のためだけではありません。もちろん、家を汚さないためだけでもございません。猫がグルーミングをするとその毛を飲み込んで胃の中に入ります。ソマリのような長毛で量が多い猫の場合は特に多く飲み込みます。普段はある程度毛がたまると、毛玉となって吐き出したり、排泄物と一緒に出てきます。でも、ブラッシング不足や換毛期によって飲み込む毛の量が多すぎると胃の中で大きな毛のかたまりができてしまい、吐くこともできず、胃の出入り口を塞いでしまうこともあります。胃の中で飲み込んだ毛が大きくなっていくと“毛球症”という胃腸炎を引き起こし食べ物が通らず、激しい嘔吐を繰り返したり、脱水症状を引き起こすことになります。だから、こまめなブラッシングが重要なのです。

…と、いうことでソマリ向け(長毛種向け)に抜け毛が取れやすいスリッカーと細かい部分をキレイにするコーム(櫛)を使って、丁寧なブラッシングをご紹介します。

ブラッシング道具

コーム(櫛)

絡まりやすい耳の下や毛玉の出来ている部分に使用。絡んだ毛も綺麗にほぐせます。我が家は主にこれを使っていますし、私も一通り試した結果コームが一番気に入ってくれています。

スリッカー

長い毛もすっきり取れる細かい目のブラシ。力を入れ過ぎないように持ち方に注意。

スプレー

手頃なサイズのスプレー容器に水を入れておく、市販の静電気防止用スプレーでも可。猫が慣れるまでに時間がかかる可能性がありますが、根気強く使ってみてください。

くし

ブラッシング手順

1.スプレーをかける

猫をリラックスさせた状態で、しっかりスプレーをかけて静電気を防止しましょう(身体の上の空間に向かってスプレーすれば、水が広範囲に落ちて猫への刺激も最小限になります)。

2.スリッカーで顔周りをとかす

スリッカーで目を傷つけないようにしながら、外に向かって額をとかします。頬のあたりはコームを使ってとかしましょう。

3.背中は頭から尻尾に向かって

次は背中。頭から尻尾に向かって毛並みに沿うようにブラッシングを。毛の毛根からしっかりとかすように。

4.あごは上から下に

あごからお腹にかけての内側は、毛がもつれやすい部分。あごをあげて胸のあたりを、上から下に向かってとかします。

5.前足を上げて脇をとかす

ひざの上に抱っこするように抱えて、前足を上げて脇をとかします。毛玉が出来やすい個所なのでしっかりと。

6.お腹はできるだけ手早く

続いてお腹へ。猫が嫌がりやすいところなので出来るだけ手早くとかします。

7.内股は丁寧に

次に後ろ足を持ち上げて内股をとかします。足の付け根は毛がもつれやすいので、丁寧にとかしましょう。

8.尻尾の付け根から先へ向かって

尻尾をとかします。付け根から先端へ向かうようにして、丁寧にほぐしながらとかしましょう。

9.耳の下はコームでとかす

耳の下はコームでとかします。毛がもつれやすく、毛玉になりやすいので毛の根元からしっかりと。

10.コームで最終チェック

コームで全身をとかします。コームは目が細かく、毛玉があればひっかかります。

ブラッシング

お腹の毛をとかす

ブラッシングは子猫のうちから手で触られることに慣らしていきましょう。自然に触らせてくれるようになったらブラシを使います。ソマリの場合は、生後2ヶ月くらいからブラシで毛をすく習慣をつけていくと良いでしょう。また、グルーミングが多い猫でもブラッシングが必要です。飲み込んだ毛を吐くことは体力の消耗だけでなく、胃腸等の臓器にも負担をかけます。特に換毛期には入念に毛を減らしてあげなければなりません。たとえ、愛猫が嫌がってもブラッシングは必要です。最初は手でやってあげて慣れさせるのがベストですが、ストレスを与えないよう慎重に行ってください。ブラッシングは、本当は1日1回行うのがベストだと思いますが、せめて2日に1回行ってください。

(学研パブリッシング「うちの猫のキモチがわかる本」よりご紹介)