アビシニアンとの違い

一番の疑問はまずこれではないでしょうか。アビシニアンとの違い。アビシニアンの性格も顔も目もソマリと似ており、アビシニアンの毛色もルディ、レッド、フォーン、ブルーと、ソマリの毛色と同じです。ソマリと同じというよりも、ソマリがアビシニアンと同じという言い方のほうが正しいとは思いますが。まず、ソマリはロングヘアード・アビシニアンと言うくらいですからアビシニアンの長毛種(毛が長い版)であることは間違いありません。

アビシニアンの歴史・起源とソマリとの関係を調べると、様々な説があるようで確かではありませんが、「ソマリとは」でも記述してます通り、イギリス兵がアビシニア高原から持ち帰ったのがアビシニアンとされており、その中でも突然変異的な長毛種を交配させていってソマリが出来たとされています。ただ、そもそものアビシニアンの起源に関してもいくつか説があり、イエネコの原種であるリビアヤマネコとの共通点も多いことから古代エジプトが原産だと言う人もいるようです。私は学者では無いので、詳しくは分かりませんし調べてもいませんが、簡単に言うと「ソマリの起源はアビシニアンの交配から出来た」ものに対して、「そもそものアビシニアンの起源は良く分からない」ということなんでしょうね。

アビシニアンとソマリの違い

シルエットで比較

実際にシルエットを描けば分かりますが、本当に毛が長くなったのがソマリなんです。
 
アビシニアンとソマリ

写真で比較

下記はどちらも生後4ヵ月くらいのアビシニアン(ルディ)とソマリ(ルディ)です。
アビシニアンのルディ

ソマリのルディ

色の濃度は個体差があるとしても、やっぱり毛の長さは子どもの頃から若干違いますね。でも、私のように是非見た目以外の違いにも目を当ててみてください。何か面白い違いがあるかもしれません。

毛の長さが違うだけ!?

ちなみにブリーディングを進めていく中で、ソマリの毛を伸ばしたければより毛の長いソマリと交配すると、その子どもの毛は長くなります。逆にソマリの血が濃くなりすぎて、毛の長さを短くしたければアビシニアンと交配することで子どもをショートヘア・ソマリにすることもできます。実際ソマリをブリードする際、一定の基準の中でアビシニアンとの交配は認められています(この辺のCFAやTICAの解釈については「毛色について」でちょっとご紹介しています)。

ですので生物学上色々な見解もあろうかと思いますが、あくまでも一般的にはTICAの定義と同じアビシニアンとソマリの違いはそもそもの毛の長さだけと考えても問題は無さそうです。ただこれは飽くまで私の持論であり仮説なのですが、南国に値するエジプトでアビシニアンが誕生したとすると、もちろん暑いから短毛で身体の線も細く、筋肉質になります(人間もそうだと思います)。確かに猫のボディタイプでいうところのフォーリンになりますね。そして、そんなアビシニアンがエジプトからさらに南下してアビシニア(現エチオピア)に来ました。その時に、たまたま遠征していたイギリス兵に持ち帰られたわけです。南の国(南半球)から北の国(北半球)に突然連れて来られたわけですから、短毛で筋肉質なアビシニアンにとってはたまらなく寒く感じるわけです。そこで北国に順応すべく、毛が伸びたのがロングヘアード・アビシニアンであり、それを正式に名称化するためにアビシニア(現エチオピア)の隣国であるソマリアに因んで「ソマリ」にしたというわけです。従って、結果的にソマリという猫はソマリアには足を踏み入れていないことが分かります。完全にイギリス発祥です。もっと正確に申しますと、ソマリの安定ブリード化に成功したのはアメリカ、カナダ、オーストラリアなんですけどね…。私の仮説は順応すべく毛が伸びたという想像の部分なのですが、でもこのストーリー…しっくりきませんか?そうなると、アビシニアンは暑さに強くて、ソマリは寒さに強いという生態の違いも出てくるはずなのですが…。

しかも実際ソマリの安定的ブリードに至るまでのどこかで、何かの予期せぬ遺伝子が紛れた(アビシニアンとは違う他の猫種も交配された)可能性も否定できませんので、明確な遺伝上の違いが分からない以上、いくら持論を唱えても答えは出ないのですが(この辺も「ソマリとは」に詳細を記載しています)。

どう?『マックス』?こんな内容で合ってる?
寝る『マックス』

あー!!死体のように寝てるぅ!!!しかも中途半端な場所でプーマみたいになってるぅ!!!!