日本最初のソマリ!?

今回はちょっとマニアックなソマリのお話をご紹介したいと思います。

 

ソマリ誕生秘話に関して、「ソマリとは」でもご紹介しております通り、ソマリの命名主でもある

エヴリン・メイグさん中心に1972年にソマリキャットクラブが設立され、1979年のCFA正式認可に

至るまでの7年間(正確にはもっと前からですが)、ひたすらソマリの研究活動をしていました。

 

簡単に言いますと、ソマリが正式認可されるための活動の一環として、各国でソマリが生まれた

という情報を聞くと、「ソマリ?おぉ!どうやって生まれたの?」的な調査をすることで安定

ブリードできるように研究していたんです。

 

そして、その7年間の間にはアメリカだけでなくオーストラリアやニュージーランド等、様々な

国で「ソマリ的な猫が生まれた」という情報が飛び交っていたんですね。

勿論それは正式認可される前ですし、血統というよりは、長毛に至る因果関係やその見た目の

美しさをCFAに啓蒙する目的でもあったと思われますが、当時のソマリキャットクラブは貪欲に

情報を欲していたことがうかがえます。

 

分かる?

 

さて、実は先日お問い合わせからSomali is…宛てに一通のメールをいただきました。それは

N様という方からで、どうやら日本で初めてのソマリを飼っていたかもしれないというお話なの

です。非常に興味深く、何度かメールでやり取りをさせて頂いたのですが、ご丁寧に当時のお話

をご説明してくださいました。私の知る限り、時期とその内容がいかにもソマリ誕生までの歴史

のひとつとして日本でもあり得る信憑性の高いお話でした。お話をお伺いしていると、まさに

冒頭に述べた7年間の時の出来事だったことが分かりました。当然CFAでの正式認可前の出来事

ですので、日本で最初のソマリという言い方をして良いのか悩みますが、確かにソマリという解釈

上では日本で最初のソマリだと思います。インディーズソマリとでもいいましょうか(笑)。

 

今回は、N様よりここで記事にすることもご了承いただきましたので、一部編集しながらご紹介

したいと思います。N様、貴重なお話ありがとうございます。

 

<N様からのメール内容(一部編集)>

昔、少しの間東京で暮らしたことがあって、アビシニアンのルディを迎えたのですが、その猫が長毛の遺伝子を持っていたようでした。(後述しますが)その後ソマリが生まれてから色々気付かされることが多々ありました。アビにしては毛量が多かったこと、毛並みが違っていたこと、瞳がカッパーではなくグリーン掛かったゴールドだった事などです。もう40年近く前のことです。

確か日本でアビシニアンの普及に多大な貢献をされた、平塚の方の神父様とアメリカ人の奥様の所で(結構有名人だったような…)生まれた子でした。
おそらく収入の足しに副業でブリードしていたのでしょうが、その割には血統書はチャンピオンマークで埋め尽くされていました。私があまり予算的に出せないのを知って、無理無理破格で譲っていただいた記憶があります。当時市販では1頭あたりの値段が30万円位していましたが、そこのブリーダーは8万円位で譲っていただきました。多分、私がお金が無かった割には熱心にお宅を訪ねて行ったこともあり、(仕方なく)ショータイプではなくペットタイプを無理して譲って下さったのだと思われます。綺麗な、かわいらしい奥さんでした(笑)が、夫婦の会話が突
然英語になったりして同行者と顔を見合わせてしまったことも覚えています。当時24,5歳のサラリーマンの月給が12万円位でしたから、そりゃあ高かったです。

また当時アビのレッドはルディより値段が高く、そのブリーダーでも10万円位しましたが、豊橋に引っ越してから迎え入れました。そして前述のルディと上手く交配できました。生まれた子供の内1頭がソマリ(ロングヘアー)で、もう一匹がソマリに近いアビ(ショートヘアーソマリ)だったような気がします。神父様ご夫婦もとても喜んで下さり、奥様が審査員として名古屋のキャットショーに参加するので、是非出展して欲しいと言われました。当時は暑い中バスケット片手に歩き回ったことが思い出されます。

奥様曰く、出展したソマリの親のおばあちゃん位に長毛の遺伝子があり、劣性で隔世遺伝したのではないかとのことでした。生まれた時は長毛で真っ黒でした。随分神父様と電話でお話し、ソマリの特徴を持っているから、大切に育ててくださいと随分期待されたことを覚えています。

そして、おそらくその奥様がアメリカの猫雑誌に寄稿されたのだと思います。オーナーである私は蚊帳の外で、その掲載記事のコピーだかなんだかを頂きました。「えらい盛り上がってい
るな」位の感覚でしたが、当時はソマリの地位が確定するかどうかの重要なファクターだったので、真剣になっていたんだと思います。ソマリがアメリカで話題になり始めて2~3年後(※Somali is…注:おそらく1975年くらい)のことです。それから世界的に選別交配してソマリが続々生まれたはずです。アビシニアンの長毛種「ソマリ」を雑誌で見かけるようになりましたが、「正式認可されてスタンダードが設定されたんだぁ」くらいの感想でした。

今のソマリは随分野性的な風貌をしている印象ですが、我が家のソマリは本当に可愛かったですよ。写真も姪が持っていたような気がします。ワオキツネザルのように、輪のある尻尾を真っ直ぐに立て(※Somali is…注:今は尾のリングはスタンダードではないですね)、リードを付けて散歩をするのが好きな子でした。尾の直径は10cm、長さは30cm近くあったと思います。

アメリカの雑誌にも大々的に「日本でソマリ誕生!」と掲載されたこともあり、CBC(名古屋のTBS系列局)のTVカメラも来て1時間近く撮影して行ったそうですが、放送はたった数分(笑)。友人・知人にもさんざんTVに出ると予告しておきながら、放送日が翌日になってしまい周りからブーイングを浴びせられました(笑)。本当に懐かしい思い出です。長文でスミマセン。当時の雑誌のコピーや写真に関しても、私の母が他界してから行方知れずです。残念!(笑)

 

どうですか?ソマリが正式に認可されてからのお話ではございませんので飽くまで非公式には

なってしまいますが、40年も前のお話でもシズル感というか…当時の状況がよく分かります。

 

色々な出来事を経て、1979年に「ソマリ」が呼称だけではなくなったんだとつくづく感じました。

 

おーい

 

皆様の中でも、面白いソマリトリビアやご情報がございましたらドシドシご連絡くださいませ。

私のソマリへの知的欲求が続く限り、こうして記事にてご紹介させて頂ければと存じます。

 

理解