ヒゲって?

ひげ

猫の触毛

ヒゲについてご紹介します。猫のヒゲは触毛(しょくもう)とも言いまして、節足動物でいうところの触角のような働きを持っています。これが無くなると生活に不自由するだけでなく、猫にとっても精神的にかなりのストレスになりますので大事にしてあげてください。

ヒゲの種類

まず、ヒゲには5種類あります。

上毛(じょうもう)

目の上にある毛。通称まゆ毛。左右それぞれに3本前後生えている。

上唇毛(じょうしんもう)

マズル部分にある一番メジャーなヒゲ。左右それぞれに7,8本ずつ生えている。

頬骨毛(きょうこつもう)

その名の通り、頬骨のところに生えている。左右それぞれ1,2本程度。

口角毛(こうかくもう)

これも名前の通り、口の端っこ(口角)部分に左右1,2本程度生えている。

頭下毛(とうかもう)

あごのところに3,4本程度生えている。
 

ヒゲの種類

意外と種類がありますよね。ソマリは全体的に毛が長いので、どれがヒゲでどれが被毛か分かりにくいですが、是非お近くのソマリ(…近くってどこだ?)で探してみてください。この、何を見られているか分かっていない無垢な表情の『マックス』でよく見えると思いますが。

さて、そのヒゲの機能ですが、被毛と比べてもひと回り異常太く、毛根もより深い位置にあると言われています。その分、様々な事象を感知するアンテナ(センサー)の働きがあるんです。障害物や風の動き、物の感知をしたり、危険を察知するための機能があります。例えば何か獲物を捕らえようとする時に、➀風から来る獲物の臭いを感じ、➁通り道をすばやく判断、➂目に異物が入らないように注意しつつ、➃実際に捕まえた獲物の心脈を感じ生死を確認する。これ全部、ヒゲの仕事です。

➀や➁は主に上唇毛、同じく➁と➂は主に頬骨毛や上毛で、➃は頭下毛や口角毛を使ってそれぞれ知覚しているんですね。ヒゲの毛根には環状洞があり、そこには毛細血管を通して血液が集中しているため、ヒゲが振動すると知覚神経に伝わり、敏感に反応する仕組みとなっています。こういった感覚受容器が猫のヒゲにはたくさん備わっているのです。だから猫にとってもヒゲは本当に大事なところなんですね。食後に前足で顔を洗っているように見える仕草も、実はヒゲを磨いていたりします。

あとは上唇毛の角度で、猫の感情が分かると言われていますので、ちょっとだけご紹介します。上唇毛が前に出ている時は緊張や興奮をしています。何かに興味を持って近づこうとする時なんかは緊張も相まってヒゲが突き出ている印象がありますよね。あと下にだらんと垂れ下がっている時はリラックスしています。キャットタワーの上で寛いでいる時は大体垂れ下がっています。ピンと後ろ気味に張っている時は怒っていたり、ビビっている時です。並行して「シャー」なんて言っていたら完璧です(笑)。

こんな感じでしょうか。本当にヒゲは多角的な機能を持っていますので、大事にしてあげてください。たまに抜け落ちて生え変わりますので、抜け落ちた毛を見て驚くことはありません。ただ、頻繁に抜け落ちるようでしたらストレスや病気を疑ってあげてください。